どうも、おばんです。QCたかです。
「正規分布」のグラフが「ぱぱっ!」と書けたらスマートですよね。
打合せで画面を共有しながら、書けたらカッコイイじゃないですか。
でも、実際はそんなに面倒くさいテクニックはありません。
ボクが普段から使っているテクニック、ぜひ、参考にしてみてください。
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これから、説明するやり方で、このようなグラフを書くことになります。
このグラフは「正規分布」というグラフで、平均値を中心に左右対称の分布を示すものです。
統計学、品質管理においては、一番基本となるグラフです。
基本となるからこそ、一番説得力のあるグラフです。
簡単な手続きですぐできますので、説明しますね。
【準備するもの】
- 生データ
【使うExcel関数】
- 平均値(AVERAGE関数)
- 標準偏差(STDEV.S関数)
- 確率密度関数(NORM.DIST関数)
【使うグラフ】
- 散布図
では、さっそく作ってみましょう。
生データから、平均値と標準偏差を求める
今回準備した生データは、10個です。
「身長」だと思ってもらえれば大丈夫です。
次に「平均値」を求めます。
平均値は「AVERAGE関数」で求めます。
今回は「F4」のセルに関数を入力します。
AVERAGE関数:
=AVERAGE(セルA:セルB)
セルAからセルBの平均値を求める
このようにC4セルからC13セルを選択し、平均値を求めます。
次は「標準偏差」を求めます。
標準偏差は「STDEV.S関数」で求めます。
今回は「F5」のセルに関数を入力します。
上記では、あえて「標本」標準偏差としました。
「標本」というものが付いた場合、「サンプルで標準偏差を求める」ものになります。
似た関数で「STDEV.P関数」がありますが、これは「母集団から標準偏差を求める」関数です。
「母集団」を使うことは、ほとんどありませんので「STDEV.S関数」を使うようにしましょう。
標準偏差を計算する過程で「n」で割るか「n-1の自由度」で割るか、だけの違いです。
「n」で割るのが「STDEV.P関数」、「n-1の自由度で割るのが「STDEV.S関数」です。
平均値と標準偏差をひとつにまとめる
平均値と標準偏差を求めたら、少し小細工をします。
ここでは、「係数」として、「-4.0~4.0」まで「0.1」刻みでデータを準備します。
今、H4セルに「-4.0」、H5セルに、0.1を足して「-3.9」と入力しました。
このあと、オートフィルを使って「4.0」まで入力してください。
オートフィルは、H4セルとH5セルを両方選び、右下に出てくる小さい四角を下に伸ばすとできます。
「4.0」になるまで、引っ張り、入力しました。
次に、入力した「係数」と「平均値」、「標準偏差」をひとつにまとめます。
I4セルに「平均値+係数×標準偏差」の数式を入力します。
計算式:
=平均値F4セル+係数H4セル*標準偏差F5セル
平均値に係数倍の標準偏差を足す
このまま、上の数式バーをクリックしましょう。
数式の「F4」を触ってから、キーボードの「F4キー」を押します。
数式の「F4」が「$F$4」に変わりました。
これで、セルを固定できます。
同様に、数式の「F5」を触ります。
次も同様にキーボードの「F4キー」を押して「$F$5」に変えて、セルを固定します。
これで、計算が完了しました。
「係数」と「平均値」と「標準偏差」がひとつにまとまりました。
この計算結果を、「係数」が「4.0」のところまで反映させます。
I4セルを選択し、右下の四角をダブルクリックすれば、勝手にオートフィルしてくれます。
ダブルクリックしました。
確率密度を求める
これで最後です。
「確率密度」を求めます。
確率密度は「NORM.DIST関数」で求めます。
「J4」のセルに関数を入力します。
NORM.DIST関数:
=NOME.DIST(X,平均値,標準偏差,FALSE)
与えられた平均値と標準偏差において、Xの確率密度関数を求める
さっき行ったように、数式の「F4」と「F5」は、キーボードの「F4キー」を押して、セルを固定します。
こちらも、同じようにJ4セルの右下をダブルクリックして、オートフィルをします。
グラフを作る
I3セルを触ります。
ここから、ちょっとしたテクニックを使います。
Excelは、キーボードの「SHIFTキー」を押したまま、「十字キー」を押すと、「SHIFTキー」を押したセルから、一緒に選択できます。
次に、キーボードの「CTRLキー」を押したまま、「十字キー」を押すと、空白のセルまで一気にジャンプしてくれます。
ということは、「SHIFTキー」+「CTRLキー」を同時に押したまま、「十字キー」を押すと、空白のあるセルまで、選択しながら一気にジャンプしてくれます。
今、I3セルにいます。
このまま「SHIFTキー」+「CTRLキー」を同時に押して、「十字キー」の横を1回、下を1回押します。
これで、欲しい範囲がすべて選択されます。
この選択したままの状態で、グラフを作ります。
Excelのタブ「挿入」からグラフの散布図を選んでも良いのですが、ここでもう一つのテクニックを使います。
キーボードの「ALTキー」→「Nキー」→「Dキー」→「ENTERキー」と順番に押していきます。
押しっぱなしではありません。
順番です。
そうすると、もうグラフができています。
あとは「線あり」「マーカーなし」として、x軸を欲しい範囲に調整して上げれば終わりです。
y軸の桁数も合わせるとキレイですね。
いかがだったでしょうか。
言葉の意味であったり、計算式の考え方を一つひとつ詳細に理解するのは、難しいかもしれません。
ですが、グラフまでの手続きは、このように簡単です。
ぜひ、活用いただければと思います。
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Excelの処置とは異なりますが、ボクはこの本を何回も繰り返し読みました。
教科書で学ぶよりは、ぜんぜんいいです。
はなしの進みは遅いけど、わかりやすい事例で、思わず笑ってしまう言い回し。
知識もユーモアもある著者がボクの理想です。