超簡単!スゴ速!!「正規分布」グラフの書き方

2023年4月23日日曜日

Excel 統計学 品質管理

t f B! P L
最終更新日:2024年2月3日


どうも、おばんです。QCたかです。

「正規分布」のグラフが「ぱぱっ!」と書けたらスマートですよね。
打合せで画面を共有しながら、書けたらカッコイイじゃないですか。

でも、実際はそんなに面倒くさいテクニックはありません。

ボクが普段から使っているテクニック、ぜひ、参考にしてみてください。


アウトプットイメージを共有しよう

これから、説明するやり方で、このようなグラフを書くことになります。

このグラフは「正規分布」というグラフで、平均値を中心に左右対称の分布を示すものです。

統計学、品質管理においては、一番基本となるグラフです。
基本となるからこそ、一番説得力のあるグラフです。

簡単な手続きですぐできますので、説明しますね。

【準備するもの】
  • 生データ

【使うExcel関数】
  • 平均値(AVERAGE関数)
  • 標準偏差(STDEV.S関数)
  • 確率密度関数(NORM.DIST関数)

【使うグラフ】
  • 散布図
では、さっそく作ってみましょう。

生データから、平均値と標準偏差を求める

今回準備した生データは、10個です。
「身長」だと思ってもらえれば大丈夫です。


ExcelのC4セルからC13セルまで入力した状態です。

次に「平均値」を求めます。
平均値は「AVERAGE関数」で求めます。
今回は「F4」のセルに関数を入力します。

AVERAGE関数:
=AVERAGE(セルA:セルB)
セルAからセルBの平均値を求める



このようにC4セルからC13セルを選択し、平均値を求めます。

次は「標準偏差」を求めます。
標準偏差は「STDEV.S関数」で求めます。
今回は「F5」のセルに関数を入力します。

STDEV.S関数:
=STDEV.S(セルA:セルB)
セルAからセルBの標本標準偏差を求める


このようにC4セルからC13セルを選択し、標準偏差を求めます。
上記では、あえて「標本」標準偏差としました。

「標本」というものが付いた場合、「サンプルで標準偏差を求める」ものになります。
似た関数で「STDEV.P関数」がありますが、これは「母集団から標準偏差を求める」関数です。
「母集団」を使うことは、ほとんどありませんので「STDEV.S関数」を使うようにしましょう。
標準偏差を計算する過程で「n」で割るか「n-1の自由度」で割るか、だけの違いです。
「n」で割るのが「STDEV.P関数」、「n-1の自由度で割るのが「STDEV.S関数」です。

平均値と標準偏差をひとつにまとめる

平均値と標準偏差を求めたら、少し小細工をします。

ここでは、「係数」として、「-4.0~4.0」まで「0.1」刻みでデータを準備します。

 

今、H4セルに「-4.0」、H5セルに、0.1を足して「-3.9」と入力しました。

このあと、オートフィルを使って「4.0」まで入力してください。



オートフィルは、H4セルとH5セルを両方選び、右下に出てくる小さい四角を下に伸ばすとできます。


「4.0」になるまで、引っ張り、入力しました。

次に、入力した「係数」と「平均値」、「標準偏差」をひとつにまとめます。
I4セルに「平均値+係数×標準偏差」の数式を入力します。

計算式:
=平均値F4セル+係数H4セル*標準偏差F5セル
平均値に係数倍の標準偏差を足す


このまま、上の数式バーをクリックしましょう。


数式の「F4」を触ってから、キーボードの「F4キー」を押します。


数式の「F4」が「$F$4」に変わりました。
これで、セルを固定できます。

同様に、数式の「F5」を触ります。


次も同様にキーボードの「F4キー」を押して「$F$5」に変えて、セルを固定します。


これで、計算が完了しました。
「係数」と「平均値」と「標準偏差」がひとつにまとまりました。


この計算結果を、「係数」が「4.0」のところまで反映させます。
I4セルを選択し、右下の四角をダブルクリックすれば、勝手にオートフィルしてくれます。


ダブルクリックしました。


これで小細工は完了です。

確率密度を求める

これで最後です。
「確率密度」を求めます。
確率密度は「NORM.DIST関数」で求めます。
「J4」のセルに関数を入力します。

NORM.DIST関数:
=NOME.DIST(X,平均値,標準偏差,FALSE)
与えられた平均値と標準偏差において、Xの確率密度関数を求める


さっき行ったように、数式の「F4」と「F5」は、キーボードの「F4キー」を押して、セルを固定します。


はい、完了です。

こちらも、同じようにJ4セルの右下をダブルクリックして、オートフィルをします。


これで、すべてのデータが揃いました。

グラフを作る

I3セルを触ります。


ここから、ちょっとしたテクニックを使います。

Excelは、キーボードの「SHIFTキー」を押したまま、「十字キー」を押すと、「SHIFTキー」を押したセルから、一緒に選択できます。

次に、キーボードの「CTRLキー」を押したまま、「十字キー」を押すと、空白のセルまで一気にジャンプしてくれます。

ということは、「SHIFTキー」+「CTRLキー」を同時に押したまま、「十字キー」を押すと、空白のあるセルまで、選択しながら一気にジャンプしてくれます。

今、I3セルにいます。
このまま「SHIFTキー」+「CTRLキー」を同時に押して、「十字キー」の横を1回、下を1回押します。

これで、欲しい範囲がすべて選択されます。


この選択したままの状態で、グラフを作ります。

Excelのタブ「挿入」からグラフの散布図を選んでも良いのですが、ここでもう一つのテクニックを使います。

キーボードの「ALTキー」→「Nキー」→「Dキー」→「ENTERキー」と順番に押していきます。
押しっぱなしではありません。
順番です。

そうすると、もうグラフができています。


あとは「線あり」「マーカーなし」として、x軸を欲しい範囲に調整して上げれば終わりです。
y軸の桁数も合わせるとキレイですね。


いかがだったでしょうか。

言葉の意味であったり、計算式の考え方を一つひとつ詳細に理解するのは、難しいかもしれません。
ですが、グラフまでの手続きは、このように簡単です。

ぜひ、活用いただければと思います。

関連記事:
ヒトは「正規分布」する

オススメ書籍



Excelの処置とは異なりますが、ボクはこの本を何回も繰り返し読みました。
教科書で学ぶよりは、ぜんぜんいいです。

はなしの進みは遅いけど、わかりやすい事例で、思わず笑ってしまう言い回し。

知識もユーモアもある著者がボクの理想です。

自己紹介

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品質管理に関するブログ「QCたかのたか流QC」では、自身の経験を活かし、品質管理への疑問、新しい提案、QCスキルのテクニックなどを配信。 「みんながハッピ〜♫になる品質管理を!」をポリシーに活動中。 品質管理検定1級合格。 日本品質管理学会所属。 機械加工、設計を経て、現在は半導体業界のメーカーで品質管理に従事。

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