最終更新日:2024年9月16日
どうも、おばんです。QCたかです。
ボクは品質管理検定(QC検定)の1級を合格しています。
それなりに、いや、かなり勉強をしました。
久々に、4級、3級の試験問題を初見でやってみたら、「難しくて、焦った」のが正直な感想です。
そんなに難しいのであれば、QCたか流の攻略方法を提案し、合格者をひとりでも増やすことができれば、最高ですね。
これから、受験を控えているヒトは、ぜひ、見て行ってくださいね。
目次:
敵を知って、己を知れ
品質管理検定(QC検定)は、「日本規格協会」が2005年から開催している検定です。
級は1級/準1級、2級、3級、4級があり、1級が最高級となります。
3級のターゲットは、
「QC七つ道具などの個別の手法を理解している方々、小集団活動などでメンバーとして活動をしている方々、大学生、高専生、工業高校生など」
と定義付けられています。
この3級は、品質管理における一般知識を問うもので、「働くんだったら、これ知っとけ」という基礎の部分になります。
学生さんもアルバイトなどで労働しますよね?
だから、知っておいて全然困ることはないです。
製造業ではないから関係ない、ってことでもないです。あらゆる仕事で活用できる知識がいっぱいです。
そしてやっぱり、お仕事系の検定ですから、趣味系の検定とは違い、企業ウケもいいです。
「うん、しっかり勉強しているね」という評価点でもあります。
この検定で給料が上がることはありませんが、周囲の評価は、隣のヒトより数段上に行っています。
その結果、あなたの給料は、隣のヒトよりも高いかもしれませんね。
前段が、あいかわらず長くなりましたが、品質管理検定(QC検定)3級の過去問題集より出題傾向を調べましたので紹介します。
手法と実践は、50%ずつ出題
この検定は、「手法」と「実践」の2ジャンルに分けられて出題されます。
「手法」は、いわゆる計算問題やグラフ、表から読み解く「理系的な問題」です。
「実践」は、品質管理の知識を問うもので、文章問題を解く、いわゆる「文系的な問題」です。
問題は「問」の中に平均6個の問題が準備されています。
「問」は18~20問ぐらいの設定となります。
なので、全体として、平均6個の問題×約18問=約100個の問題を解くことになります。
出題の割合は、50%ずつです。
つまり、「手法」「実践」それぞれ50個の問題が出題される、と思ってもらえて大丈夫です。
試験時間は、90分
90分が長いか短いかは、勉強した時間に相関がありそうですが、「ちょうどよい」時間です。
問題の出題パターンは、先に「手法」、後半に「実践」となります。
難易度は「手法」の方が圧倒的に難しいです。
その難しい「手法」が先発で出題されることが、この検定の「イヤらしい」ところです。
難しい問題に直面すると「心臓がドキッ」とします。
そして「イヤな汗」が出ます。
その結果「脳内が真っ白」になって、「自分が本来持っているスキル」を活かせません。
わからない、わからないで焦ってさらにわからなくなって、時間ばっかり過ぎていく、気づけば、残り半分の「実践」を全然やってない。。。
もう、負のループです。
ですから、後半の「実践」からスタートすることを強くオススメします。
カンタンな「実践」が終わっていれば、あとはじっくり「手法」に向き合えます。
難しくてわからなくたって、すでに「実践」は終わっているので、余裕があります。
残りの時間をすべて「手法」に使えばよいのですから。
攻略テクニック
「実践」からスタートするのにあたり、テクニックを紹介します。
- 「手法」の問題を一通り流し見する。
これは、脳内の片隅に全体のイメージ図をインプットする作業です。
「あっ、こんな問題がある」
「これは楽勝だな」
「なんか、やばそうな問題だな」
「なげー問題・・・」
と何となくイメージをすることで、「手法」に取り掛かる前の心構えを作ります。
この心構えを最初に作っておくと、全体として心に余裕が生まれます。
ようは、最後までメンタルを崩さずに最後まで戦えるか、が重要ですね。
- 「新QC7つ道具」が「手法」の後半
パラパラと流し見をして、「新QC7つ道具」が見えたら「手法」の終わり頃です。
脳内のスイッチを「実践」に入れ替えましょう。
- 「実践」の攻略時間は最大で30分。
難しい「手法」のために多くの時間を残すため、「実践」は最短時間での攻略を目指します。
できるのであれば、もっと短くしましょう。
ちなみにQCたかの目標設定は「20分」でした。
- 点数配分は「手法」70%、「実践」90%で全体80%を目指す!
品質管理検定(QC検定)の合格基準は
「手法と実践が50%以上、かつ全体で70%以上」
です。
難しい「手法」では点数がなかなか採れません。
だから、採れない分は「実践」でカバーしてあげる必要があります。
合格パターンとしては、実質下記の二つになります。
手法ギリギリパターン「手法50%、実践90%で、全体70%」
バランスパターン「手法60%、実践80%で、全体70%」
そして、安全率+10%を加算すると、現実的には
バランス安全パターン
「手法70%(60+10)、実践90%(80+10%)で、全体80%(70+10)」
に落ち着きます。
ですから、必勝パターンは「バランス安全パターン」です。
ここを目指しましょう。
「手法」の出題傾向分析
「手法」は、下記が出題範囲となっています。
- データの取り方・まとめ方
- QC7つ道具
- 新QC7つ道具
- 統計的方法の基礎
- 管理図
- 工程能力指数
- 相関分析
出題の傾向として、
- だいたい半分は「QC7つ道具」から出題
- 「データの取り方・まとめ方」「管理図」「新QC7つ道具」は、だいたい1問出題。
ですから、「QC7つ道具」「データの取り方・まとめ方」「管理図」「新QC7つ道具」をカンペキにしておけば80%は採れる、ってことですね。
その次に出題される傾向が高いものは「工程能力指数」です。
この傾向が掴めていれば「何を勉強するべきか」見えてきますね。
データの取り方・まとめ方
この範囲は、下記を正しく導けるか、を問われます。
品質管理検定(QC検定)3級において、ガッツリ計算問題です。
- 平均値
- 最大値
- 最小値
- 中心値
- 範囲
- 平方和
- 不偏分散
- 標準偏差
公式を極力使わず計算する方法を、関連記事で紹介しています。
これは絶対的に有効なので、ぜひ、アクセスしてください!
QC7つ道具
QC7つ道具は、
- 特性要因図
- チェックシート
- グラフ
- ヒストグラム
- パレート図
- 散布図
- 層別
が出題されます。
出題の傾向として、
- チェックシート
- ヒストグラム
- パレート図
が多く出題されています。
次いで、
- 層別
- 散布図
です。
単独で出題されることもありますが、色々な道具を組み合わせて出題されることもあります。
特に「チェックシート」と「層別」は、色々な問題と親和性が高いのでほかの問題と組み合わされて出題されることが多いです。
他の問題と親和性が高いものでいえば、「散布図」もそうです。
「散布図」は「相関分析」と仲良しです。
この二つは問題のカテゴリが異なりますが、同時に出題されるものと思っていてよいでしょう。
なお、「相関分析」は「相関係数を求めること」が出題範囲になっておりますが、計算させるような問題はほとんど出題されていません。
相関係数って、どんなの?を理解しておけば、問題ありません。
新QC7つ道具
この問題は、ほぼ毎回出題されますが、計算もないし、深い内容を問われることはありません。
「言葉」と「意味」と「図」を理解しておけば、カンタンに点数が採れます。
必ず覚えていきましょう!
- 親和図法(似たもの同士をグループ化)
- 関連図法(原因となる色々な要因を図化、特性要因図と類似)
- 系統図法(目的に対して、いろいろ何をすればよいかを図化)
- マトリックス図法(問題をタテ・ヨコの表で表現。星取表)
- アローダイアグラム法(工程の進捗を図化)
- PDPC法(工程設計のチャート図)
これら単独で出題されることは、ほとんどありません。
「新QC7つ道具」全体として出題され、「この場合、どの道具を使う?」といった選択の問題がほとんどです。
管理図
管理図にもいろいろな種類があります。
- Xbar-R管理図(計量型:平均値と範囲)
- p管理図(計数型:不適合品率)
- np管理図(計数型:不適合品数)
- c管理図(計数型:不適合数)
- u管理図(計数型:単位当たりの不適合数)
出題の傾向として、
- Xbar-R管理図
ほぼ、一択です。
ですから、「Xbar-R管理図」をカンペキにしておきましょう。
出題内容としては、計算問題がほとんどで、
- 中心線(平均の平均)を求める
- 上限管理限界(UCL)を求める
- 下限管理限界(LCL)を求める
これだけです。
これらはカンタンな計算式で求められます。
余談ですが、管理図はQC7つ道具に含まれていますが、品質管理検定(QC検定)においては、独立して出題されています。
このQC7つ道具に入ったり、入らなかったり問題は、「たいしたことではない」ですが非常に気持ち悪いですね。
いっそ「QC8つ道具」にするかQCたかが提案する「4C」に置き換えればよいのです。
QCたかが提案する「4C」は関連記事をお読みください。
出題パターン
紹介していない「工程能力指数」「統計的手法の基礎」を含めていろいろな問題が出題されます。
ですが、その出題パターンは4つに分けられます。
- パターン①:実例系(チェックシート、グラフから読み解く)
- パターン②:計算系(データの取り方・まとめ方など)
- パターン③:解説系(内容の解説を穴埋め)
- パターン④:全体系(全体から選択、全ミックスの高難易度問題)
出題傾向として、
- パターン①が多い
です。
こういう問題は、結構文章を読み込まないといけないケースがよくあります。
そして、文章の中間、チェックシートやグリフのはじっこに、大切なキーワードが転がっていることがよくあります。
このキーワードをいかにモレなく拾ってくるか、ここが問題を解くうえで大切な作業になります。
ちなみにパターン②の計算系ですが、計算が必要なものは、
- データの取り方・まとめ方
- 管理図
- 工程能力指数
- チェックシート
この4つです。
チェックシート問題では、例えば不適合率が表にないから追加する、などが出ます。
とは言え、所詮、割合の計算とかなので、冷静に考えれば小学生でも解ける問題です。
正確に覚えなければいけない公式は、
- 管理図(実質、3つの公式)
- 工程能力指数(実質、2つの公式)
の2種類で、計5つの公式を覚えればよいだけ。
こんなのむちゃくちゃカンタンです。
公式と言ったって、四則計算だけですから、何にもびっくりすることはありません。
どうでしょうか?
段々、自信が出てきたのではないでしょうか?
「実践」の出題傾向分析
「実践」については、テクニックもなにもありません。
申し訳ないですが、教科書をただひたすらに読んで覚えていただくほかありません。
出題の範囲は、
- QC的ものの見方・考え方
- 品質の概念
- 管理の方法
- 品質保証:新製品開発
- 品質保証:プロセス保証
- 品質経営の要素:方針管理
- 品質経営の要素:日常管理
- 品質経営の要素:標準化
- 品質経営の要素:小集団活動
- 品質経営の要素:人材育成
- 品質経営の要素:品質マネジメントシステム
です。
出題の傾向として、全体が均等に出題されています。
その中で出題頻度が高いものとして、
- 管理の方法
- 品質の概念
- 品質保証:プロセス保証
- 品質経営の要素:方針管理、日常管理、小集団活動
となっています。
出題のパターン
出題のパターンとして、
- パターン①:選択肢変更系
- パターン②:1問ぶっちぎり系
- パターン③:2択系
- パターン④:図を埋める系
があります。
パターン①:選択肢変更系は、問題の「前半」と「後半」で違う選択肢から答えを探すパターンです。
中には、「中間」と3つに分かれるパターンもあります。
いつの間にか選択肢が切り替わっている場合がありますので、ここは要注意です。
気付いていないと、「あれ~?ぜんぜん当てはまる言葉ないぞ!?」と焦って、いまいち当てはまりの悪い言葉を選んでしまい、不正解になるパターンがあります。
出題側の「いやらしさ」があふれる問題で、この形態の出題がほとんどです。
パターン②は、このような選択肢が分かれることがないので、そこは安心です。
ですが、選択肢が多くなる傾向になるので、どれを選べばよいのか、探すのに時間が掛かってしまいますので、落ち着いていきましょう。
パターン③は、〇×とか、AとBが当てはまる?といった2択を選択する問題です。
わからなくても、2択で正解しますので、チャンスがあります。
こう書くと、パターン①②はわからないと正解するチャンスがないみたいですね。
そうです。
実際、わからないと正解しない確率が高そうです。
問題に対し、選択肢は「ほぼ2倍」準備されています。
この2倍の状況から、正解を見つけ出すのは「理解」していないと難しいです。
偶然に、あてずっぽうに書いていたら正解しません。
だからこそ、教科書を読み込むしかないのです。
全ての言葉を覚えていないくても、
「一回どこかで見た言葉だな」
「全体の雰囲気としてこの言葉が合いそうだな」
という感覚を脳内の引き出しから出せる状態にしておく。
繰り返しますが、教科書を読み込んでこの感覚を身に付けておきましょう。
最後はパターン④:図を埋めるパターンです。
図には表やフローチャートも含まれます。
最適な工程を選んで埋めなさい、といった全体の流れを問うものです。
これは1問間違えると、すべて間違ってしまいます。
冷静に、正確に正解を見つけましょう。
結局、これもいかに教科書を読み込んでいるかにかかっています。
どんな言葉が出題されている?【テキストマイニング分析】
「教科書を読み込め、と言っても、出てくる言葉が多くてね・・・」
と、嘆くお気持ちもわかります。
そこで、過去問から「どのような言葉」がよく使われているのか、AIテキストマイニングで分析をしてみました。
※ユーザーローカル テキストマイニングツール( https://textmining.userlocal.jp/ )による分析 |
これは、出現する言葉が多いものを並べたものではありません。
「スコア」と呼ばれるもので「言葉の重要度」を独自に調整したものになります。
詳しくは、今回使用した「AIテキストマイニング」をご参考ください。
どうでしょう?
名詞を見ると、
- 製品・サービス
- 教育・訓練
- 標準化
- 方針管理
- QCサークル
- 管理項目
- プロセス
が多く出てきています。
動詞を見ると、
- 定める
- 備わる
- 用いる
- 基づく
- 取り組む
が多そうです。
名詞と動詞を色々組み合わせると、種々当てはまりそうですね。
イメージ図だけではわかりにくいので、名詞をスコアが高い順に並べたグラフを見てみましょう。
ちょっとわかりやすくなりましたか?
スコアが高い順に並べると、
- 製品・サービス
- 品質
- 教育・訓練
- 標準化
- 管理項目
- 工程
- 方針管理
- QCサークル
と続きます。
なるほど、このような言葉を覚えていけば、合格も見えてきそうですね。
最後に言葉のつながりを見てみましょう。
線が太い方がより強いつながりとなります。
QCたかが注目した点は、
- 「製品・サービス」を取り巻くものが「顧客」「設計」「製造」であり、そこを「品質」がつないでいることです。
- 「方針管理」を取り巻くものが「目標」「達成」「活動」「計画」であり、組織運営のために必要なことが「方針」でつながっていることです。
品質管理検定(QC検定)を勉強する際は、このようなつながりを意識しておくことで、全体がイメージしやすく理解が進むでしょう。
いかがだったでしょうか?
品質管理検定(QC検定)は、カンタンなようでカンタンではありません。
今回紹介した分析で、
「あれ?なんかイケるかもしれない!」
と思って頂けたら嬉しいです。
敵を知りましたからね。
あとはあなた自身です!
あなたが、あなた自身を知れば百戦百勝危うからずです!!
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本記事の分析は、本書籍で行っております。
色々なテキストが世の中にありますが、なんだかんだ言っても品質管理検定(QC検定)の合格への最短学習は、過去問を繰り返し解き、体で覚えることです。