「書類」での「品質管理監査」は「ISO認定証1枚」で完結!

2023年2月19日日曜日

品質管理

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最終更新日:2023年10月29日


どうも、おばんです。QCたかです。

書類での品質管理監査を受けるときありますよね。
小さい企業は困っています。
大企業の皆さんには、ぜひ読んで頂きたい。


品質管理監査について考える

世の中に「品質管理監査」というものがあります。
「監査」ですから、自分たち組織の「いろいろなトコロ」を見られます。
見るのは、これらの人たちですね。

  • 公共公的機関(なんとか法人とか、なんとか省とか)
  • 品質保証の認証機関(ISO9001認証機関の○○会社とか)
  • お客さん(注文をくれる○○会社とか、○○さんとか)
  • 自分たちの自身(○○社長とか、製造部門の○○課長とか)

「品質管理監査」の目的ですけど、簡単に軽い感じでで言えば、

「ちゃんとルール通り作ってるよね?ルールと証拠見せて?」

になります。
だから、ボクたちのアンサーは、

「ルールはこれです」
「証拠(エビデンス)はこれです」

となりますよね。

これを「書類」で確認しちゃう「品質管理監査」というものが、世の中にいっぱいあります。
ボクは、これをよくやっているのですが、まぁ、結構面倒なのです。

定期的に「書類」の「品質管理監査」の依頼をしてくるお客さんがいます。
監査には「チェックシート」があって、この通り回答してくれればいいからさ、といった感じで、1問1答で記入していきます。

何年も、フォーマットが変わらないお客さんがいます。
そういうのは楽です。
コピペでいいですから。

お客さんのフォーマットが変わると大変です。
それこそ本当に1問1答ですよ。

コピペタイプは関係書類を更新したり、入手したり含めて、まぁ、1日もあれば終わります。

新しいフォーマットで、設問もめちゃくちゃ多くて・・・なんて最悪です。

真剣に1問1答していけば、1週間はかかります。

ようは、面倒くさいし、地味だし、変な回答もできないし、ボクの中ではかなりイヤな仕事です。

いろいろなお客さんから、同時に依頼があったり、ほかの急いでいる仕事があるときに依頼があったりすると、もう最悪ですね。

なにせね

「楽しくない!!」

これにつきますね。

だから、QCたか流の想いとしては、

「ISO9001認証されているのに、受ける意味ある?やめさせてほしいんですけど?」

となります。

枕言葉に「ISO9001認証」を書いています。
ここが、大事なポイントじゃない?とボクは思うわけです。

参考までに、言葉の定義を下記しておきます。


監査 audit
監査基準が満たされている程度を判定するために、監査証拠を収集し、それを客観的に評価するための体系的で、独立し、文書化されたプロセス(Q9000、Q19011)

ークォリティマネジメント用語辞典(2004年発行 吉澤正 日本規格協会)より引用


ISO9001認定証の使い道

「ISO9001」は国際的な標準化の組織(ISO)が作った規格です。

品質管理に特化したシリーズで

「組織として動けます?」
「動くにはこの規格を守るといいよ」

と、教えてくれます。

組織をマネジメントする仕組み(システム)をルール化したものですね。

そして、この仕組みを、自分の会社に取り入れた人たちがISO9001の認証機関から「監査」(またかよ・・・)を受けて、「いいですよ」と言ってもらえれば、堂々と「ISO9001を認証取得しました!」と宣言できる、となります。

この「ISO9001」の認証取得には、おカネと時間と人員がかかるわけですよ。
うん十万から、ひゃくうん十万円規模の話です。

また、この認証を継続するには、また、おカネをわざわざ払って、「監査」を受けるわけです。

そんなに、おカネも時間も使って認証取得したのに
「認定証」を使う場所ってなくない??

と思うのです。

ISO9001を認証取得をしたことがムダとは言いません。

自分たちの組織を、一定のルールのもと動かす活動は必要ですから、認証取得へのプロセスや、維持・管理の活動はやるべきです。
(QCたか的には「ISO9001に文句を言いたいですが、それはまた別の機会で・・・)

そうじゃなくて「認定証」そのものの活用する場所がない、と思ってます。

例えば、お客さんが実際にこられる「監査」でもそうですね。

「ISO9001を認証取得していますか?していれば見せてください」

「認証取得しています。これです(見せる)」

「はい、どうも。有効期限は・・・、あ~、大丈夫ですね。
 へ~、○○会社から認証取得受けているんですか。うちは○○会社ですよ」

「そうなんですね(緊張、ってかそんな会社知らんし)」

「ありがとうございました。次の質問です。御社はちゃんとルール通り仕事してます?」

・・・

「ルール通りやってるから証明書もらってるんだろ!!(怒)」

ましては、認証機関のプロから「監査」を受けて、証明されたものです。

お客さんの「能力が低い」までは言いませんが「プロよりは高い」とは思いません。

アマチュアが何を言おうが、プロからもらったお墨付きを覆せるはずがありません。

とは言え、お客さんと顔を見ながら「監査」を受けること自体は、意味があります。

「すべての監査」は「抜き取り」ですから、思いがけないところで、不適合が
見つかったりするものです。
不適合が見つかれば、改善につなげられます。

「監査」を受けるのは、パワーも時間も精神的プレッシャーもかかるので、イヤですが、改善につながるのであれば、「止む無し」です。

そんな改善にもつながらないのが「書類」での品質監査です。

ボクの経験上、不適合で指摘されたことはありません。
(それは、ボクたちが上手に作っているだけかもしれませんが)

そもそも「提出したチェックシート、見ているんだよね?」と、お客さんに聞いてみたいです。

「ただのエビデンスとして、チェックシートが欲しいだけなんじゃない?」
と、ボクは思うわけです。

実際に、ボクならチェックシートは見ません。
見たって、パラパラと、空欄がないかな?ぐらいになります。

そして、もらった「ISO9001の認定証コピー」を一緒に付けて、即ファイル行きです。

これって、意味がある活動なのか?と思うわけです。

高いカネで買った認定証が、その効果を発揮していないのです。

認定証があるのだから、チェックシートなんて、いらないんじゃない?と言いたいわけです。

紙信仰文化を持つ日本人

「書類」による「品質管理監査」は、日本の文化や国民性が顕著に出てしまっています。

日本人は「紙」が好きです。
どんなにデジタル化を進めようとも「紙」が好きです。
「紙文化」は簡単に変えることはできません。

古来より、家と外の区分けは「紙」でした。
今でこそ減りましたが「障子」「ふすま」がある家が普通でした。

「紙」と同じ読み方をする「神」になぞらえる部分もあるのでしょう。

「紙」には「神」を連想させ、神事には「紙」が多く使われます。

「紙文化」を変えようとか、ペーパーレス化を進めようとか、欧米ライクのアプローチでは絶対になくならないと思います。

これは日本人の古来からの宗教である「神道」と深く結びついているノスタルジーなのだと思います。

アニミズムとして「紙」に「神」が宿る。
だから、変わることはない。

日本人が「紙」好きであり、「紙文化」が変わらないことは理解いただけたとおもいますが、やっぱり「認定証の紙1枚」で良くないですか?

「紙」が好きなのだから、「紙」さえあれば良いのでしょ?

認定証の「紙」には、「高いカネ」と「人々の労力」と「ルール通りできている証明」と「神」が宿っているのですから。

「紙」による品質管理監査なんて、実にもったいない文化だと思います。

書類品質管理監査はISO認定証1枚で完結!

これが、令和時代のトレンドにするべきです。

日本人の労働時間を減らすことができます。
働き方改革で、働く時間は減っています。
同じように人員も減っています。

掛かる時間は減らすしかありません。
ムダな時間ならなおさらです。

大企業による「品質不正問題」が多くあるなか「品質監査」を疎かにできない、という意見もあるでしょう。

でも、大企業からこのような活動をして行かないと、この文化は変えられません。

中小企業の力では、大企業に逆らえません。
中小企業を信じていただくほか、ありません。

お互いの信頼感を持ってビジネスは成り立つのでしょうから、一回信じてもらえれば良いのだと思います。

信じられないときは「対面」で不適合を指摘してもらえれば良いのです。

よりよい「社会」をみんなで目指していきましょう!


オススメ書籍




ISO9001の要求事項が記載している言わば「教科書」です。
「おもしろいか」「おもしろくないか」で言えば、もちろん「おもしろくない」です。

「教科書」ですから。

ただ、手元に1冊持っておけば、困ったときに助けてくれます。
「社内ルール」<「ISO9001」です。
社内ルールで迷うことがあれば、この本を開きましょう。

自己紹介

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品質管理に関するブログ「QCたかのたか流QC」では、自身の経験を活かし、品質管理への疑問、新しい提案、QCスキルのテクニックなどを配信。 「みんながハッピ〜♫になる品質管理を!」をポリシーに活動中。 品質管理検定1級合格。 日本品質管理学会所属。 機械加工、設計を経て、現在は半導体業界のメーカーで品質管理に従事。

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